中学生・高校生になると「腹筋・背筋をたくさんしろ」と指導者から言われたりしたことありませんか?
特に腹筋群の中の腹直筋は6つに割る6パックと言ってルックスもとてもかっこいいのでたくさん鍛えたくなる男子も多いと思います
筋肉ムキムキになった結果パフォーマンスがアップするわけではありません。テレビでも「トップアスリートが腹筋が腫れている」と報道されたりしているのを観るとその体ばかりに目が行きがちになって、筋トレに熱中する学生が増えていきますね。自分自身も同じように行っていたので相当勘違いしていましたね。
もちろんアスリートレベルが高くなればなるほどフィジカルの強さも要求されるのでそういったトレーニングが必要になる時があります。筋トレが悪いわけでもなんでもなく、「やるべき時に、必要なくらい」行えば良いでのです。
一般的に使える筋肉使えない筋肉と言ったりしますがスポーツのパフォーマンスに直結するトレーニングをしたいですよね。
腰痛と筋肉
腰痛の原因は色々あるようで我々トレーナーや医師でも100%自信を持って「完治できる」とは言えないものです。構造的、解剖学的に見て足りないところをトレーニングしたり、トリートメント(治療)したりというのが専門なので構造的に考えてみますと、
腰痛患者には多裂筋(Multifidus)のコントロールが不得意であるとされています。(Russo, et al.2018) 多裂筋とは背骨を支える小さい筋肉の事です。一般的に呼ばれている「背筋」というのは脊柱起立筋や広背筋などの大きい筋肉を指しますが、分かりやすく説明すると「背骨を支える小さな筋肉」が大事という事です。
大きな筋肉は皮膚の表面近くにあって見えることが多いので、トレーニングの成果が目に見えやすい筋肉ですが小さな筋肉は支える役割が強くて大きくなりにくい特徴があります。トレーニングするにも少し地味なものが多くありますがその中でも有名なのが「デッドバク」というエクササイズです。Youtubeでも検索すると多く動画が出てきますので参考にしてください。
https://www.youtube.com/results?search_query=デットバク
背筋は脊柱起立筋と言って主に背中に付いている筋肉ですが、 この筋肉を見ると骨盤の後面に付着しています。
脊柱起立筋が強く働き出すと骨盤を前傾させることによりいわゆる反り腰になりがちです。
多くの人がこの筋肉が短縮してしまい反り腰で腰の違和感になっているケースが多々見られます。
背骨を動かす前に日常生活の中スポーツの中で 安定性を高める第一歩になります。
背中を反る前に股関節を後ろへ引き上げるつまり臀部の筋肉を使うことが優先だったり手・腕を頭上に上げるときは腰を反ってあげるのではなく特に背骨の胸椎と言われている部分を反ることによってあげるのが理想です。
動くべきところが動いて最終的に腰を反るというのは良いことかもしれませんが脊柱起立筋を使って腰を反ろうとするのが一番最初になってしまうと弱い筋肉を最初に使ってしまうのであまり効率が良いわけでありません。
腹筋・背筋の筋肉は大事だよと言われますが その使い方や機能を理解した上で体幹トレーニングを行うのが理想ですね。
こういった体の動かし方を正すことでトレーニング効果を高めたり、怪我予防にも繋がります。
赤坂・乃木坂のアスレティックトレーナーM3スポーツセラピー
Russo, et al. Published online 2017 Dec 12. doi: 10.1111/ner.12738, ”Muscle Control and Non‐specific Chronic Low Back Pain”. Neuromodulation. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5814909/