#29 エリートランナーが怪我をしにくい能力の特徴

「練習しているうちに分かる」とか「やっているうちに学ぶ」とかって言われた事ありませんか?

とにかく数をこなしているうちに人は学んでくるのでしょうか?

例えば筋力トレーニングは間違ったやり方を継続していてもやっているうちにフォームが上手くなることはありません。

初めはなれない動きもやっているうちにうまくなったりする事はあったりしますが包丁で野菜を切ったり最初はなれないですがだんだんとうまくなってきたりします。


スポーツでも同じで野球の練習でもトスバッティングを高速でやる事で最短距離でバットが出るようになるといって伝統的な練習方法がありました。


ランナーも走りのペース(足の運び)も同じようですCristine らによるとエリートランナーは走って足の振り幅(接地時間や揺れ)が変わってもそれに対する適応が早いなどの能力が発達していて、怪我のリスクを回避しているとされています。


怪我をする人はいつも決まったパターンしかできないし、逆の怪我をしない人は色々なパターンで環境に適応する事ができるので当然パフォーマンスは高くなります。(参考ブログ)http://m3sports-therapy.tokyo/archives/1941


トレイルランなどで足元に小石があったり、小さな穴があった時に適応できるか、不安定な地面で素早く安定性がキープできるのか?というのはトータルのタイムにも大きく影響してきます。

着地して素早く安定性をキープできれば足がスムーズに運ばれますが、逆に着地して不安定な地面(雨のぬかるみ、凹凸地面など)で素早く適応できなければ足を捻挫するかもしれません。

こういった素早い反応はpre-activeと呼ばれて着地する前にすでに反応が始まっている状態です。パフォーマンスが高い長距離ランナーほどこういった能力は高いようです


また足の感覚受容器を刺激する事もこのpre-aciveを発達させるのに大事な要素です。

パワープレートのような振動刺激や何かを踏んづけたりする刺激で足の裏の感覚を養う事で素早い反応が高まります。


石のようなものを散りばめたようなマットや日本の伝統的にある竹踏みもようなものも足の裏の感覚を養う上でとても役に立ちますのでもし倉庫にしまってあるなら探し出してみてください。


Cristine E.Agresta, et al, Years of running experience influences stride-to-stride fluctuations and adaptive response during step frequency perturbations in healthy distance runners;Gait & PostureVolume 70, May 2019, Pages 376-382

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